デザイン界の大御所・岡本一宣の作品集「岡本一宣の東京デザイン」の感想

岡本一宣の東京デザイン

 

デザイナーであればきっと、好きな有名デザイナーやクリエイティブディレクターがいると思いますが、僕は岡本一宣さんが好きです。

 

デザインプロダクションに新卒で入社して間もない頃に、岡本一宣さんの存在を知り、デザインに一目惚れして、この岡本一宣の東京デザインを買いました。

 

1000ページを超す作品集で、価格も8,800円と、新卒の僕にとっては高価な本でしたが、それだけの価値があると確信したのです。

 

エディトリアルからブックデザイン、名刺、ポスター、ロゴタイプまで

岡本一宣の東京デザイン2

 

岡本一宣さんを知らない方のために言うと、岡本一宣さんはエディトリアル(雑誌などページ物の編集・デザイン)を得意とする方で、岡本一宣の東京デザインもエディトリアルのページが大部分を占めています。

 

岡本一宣の東京デザイン3

 

文字のレイアウトが独特じゃありませんか?

 

当時、通販化粧品のカタログに携わっていて、デザインに悩んでいた僕はこの本を見て「え、こんなレイアウトありなんだ!?」と驚いた記憶があります。

 

それまで専門学校なんかで習ったデザインのセオリーから外れているように感じたからです。

 

でも、その「遊び」めちゃくちゃオシャレで都会的でかっこよく、ことあるごとにこの本を開いていました。

 

岡本一宣の東京デザイン6

 

ブックデザインも多く手掛けていて、僕の好きな絵本作家でイラストレーター、映像作家でもあるたむらしげるさんとの仕事もたくさんあります。

 

たむらしげるさんの絵本の装丁を、岡本一宣さんがしているのなんかはもう最高です。。

 

岡本一宣さんならではのおしゃれでかわいい四角

岡本一宣の東京デザイン5

 

岡本一宣の東京デザインを見ていくと、ある独特な形が多様されているのに気づきます。

 

それは、丸でも四角でも角丸の四角でも、オーバルでもない形。

なんと呼んだらいいのかわからないので記事中では「岡本一宣の四角」とします。

 

角丸の四角と違い、直線の部分がなく、なんとも言えないやさしい形で目を引きます。

 

↓こんな感じ。

 

岡本一宣の東京デザイン4

 

岡本一宣の東京デザイン9

 

岡本一宣の東京デザイン10

 

僕はこの形をデザインに取り入れたくて、当時、イラレだとどうやってつくるんだろう?と試行錯誤していました。

 

色々やっているうちに、ある日偶然使っていた機能で「これでできるんじゃ?」と思ってやってみたら作れました。

 

余談ですが、数日前に音声SNS「Clubhouse」のアイコンの作り方、として下記ツイートをしたのですが、それが岡本一宣の四角のことなので、興味がある方は見てみてください。

 

 


 

ロゴやデザインの中で目を引くワンポイントとしても使えると思います。

 

流行りを追わないデザイン

岡本一宣の東京デザイン8

 

最後に、岡本一宣の東京デザインのカバーに載っていた岡本一宣さんの近影を。

 

ダンディーでオシャレですよね。

1951年生まれと書いているので、年齢は2021年現在で70歳くらい。

 

岡本一宣さんの会社のサイトを見ると分かりますが、エディトリアルを中心に今でも現役でデザインを生み出しています。

 

》岡本一宣デザイン事務所

 

どのデザインを見ても、全く古さを感じないですよね。

かといって流行りのデザインや色使いを追っていないのも、長きに渡ってデザイン業界で活躍できている理由の一つなのかもしれないなと思いました。

 

岡本一宣の東京デザイン7

 

1000ページを超す分厚い作品集で、価格も安くはありませんが、岡本一宣さんの長年の知と経験が詰まった濃厚な一冊です。

 

デザイナーであれば誰でも必ず役に立つはずですし、特にエディトリアルデザインをしている方であれば目から鱗なデザインを目の当たりにして、悩んでいた仕事の突破口になるかもしれません。

 

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ちなみに、今回ご紹介した岡本一宣の東京デザインと対をなす岡本一宣のピュア・グラフィックという本もあります。

 

こちらは地図やグラフ、図といったいわゆるインフォグラフィックをまとめたものです。

 

個人的には岡本一宣の東京デザインだけ持っていればいいなと思いました。

本棚に二冊並べたいという願望はありますが。。

 

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また、岡本一宣さんが長崎出身ということもあってか、長崎のガイドブックNAGASAKI Insight Guide Volume 1+ 長崎を知る77のキーワードという本も出しています。

 

こちらは岡本一宣さんの大胆で遊びのあるレイアウトが炸裂していて、デザインの参考にするために僕も持っています。

十年ほど前に出した、ナガサキインサイトガイドの増補改訂版です。

 

パラパラとめくって眺めるだけでも楽しいですよ。

 

 

それではまた、次の記事で。

 

岡本一宣の東京デザイン11